作家でごはん!にて公開されている 参考作品集のpdfファイルを各種PDA等で読みやすいプレーンテキストファイルに 変換します。
詳しい使い方は説明書を参照してください。
xdoc2txt sf01.pdf | ruby sakkade2txt.rb > sf01.txt
動作確認はActiveScriptRuby 1.8.2.2 @Windows2000。
Ruby 1.6系列ではchomp!の仕様の違いにより正常動作せず。
第五回
日本SF新人賞1次通過
『空の光に想いを馳せて』
原稿用紙換算455枚
永井佑紀(HN 闇米) 著
プロローグ
球体が、浮上する。
上空五百メートル。恒星が惑星を従えるように、球体は自身の周囲に一回り小さな球体を複数侍らせている。
エブロフェンは球体の各種センサーで都市を見下ろしていた。
青白い高層ビルが建ち並び、その隙間には整備された道路が縦横に走っている。さながら蜘蛛の巣のようだった。巣の糸の上には、複数の青い立方体が高速で流れている。水素燃料を利用して電力を発生させて推進している。今日はいつもと比べると緩やかな流れだった。人間が乗っている車両が無いからだ。流れを形作っているのは、日々の業務を自動でこなす無人車両。見上げれば、高みで双胴の無人貨物機が青緑の空に白い軌跡を描いている。
球体が見下ろしているのは繁栄を極めた都市だ。
だが、衰退期がすでに始まっている都市でもある。
人間の大半がシェルターに隠れていることをエブロフェンは知っている。
「我、この大地に住む者の管理者」
エブロフェンは球体の真下にいるものすべてに聞こえる大きな声を放出させ、さらにネットワークのすべての回線に自分の音声情報を割り込ませた。これで聴覚を持つ人間すべてがエブロフェンの言葉を聞かざるを得なくなる。
「我、循環をもたらす者なり」
2005/02/05:プログラム作成・ページ作成
by 爆竹銃 @自分自身のためのものづくり